※今回は、ワンコやニャンコは登場しません※
先日、妻から相談を受けました。
「雨の日にブレーキ踏んだり、交差点を曲がろうとすると少し滑るような感じがする」
試しに自分も雨の日に妻の軽自動車を運転してみましたが、走り出しにアクセルを強めに踏むと確かに軽く空転しました。
妻の車は結婚の前年に買ったので、約4年目。
そして結婚を機に走行距離が激減したので、なるほど、そろそろ交換時期です。
(タイヤは走らないとゴムが硬くなりやすいので、結果的に滑りやすくなる)
妻は、
「激安のタイヤでいい」
「韓国のタイヤでも、あまり距離乗らないし、安くていいでしょ」
と申しておりますが、本当にそうでしょうか??
今回は某カー用品店の販売員を10年以上勤めた僕が、韓国製タイヤの特徴をまとめたいと思います。
※今回は個人の考え方、主観が多様に含まれていますのでご了承を!
【韓国タイヤに関する世の中の反応は?】
まず、一般的な意見を見ていきましょう。
よく、「韓国製のタイヤは危ない」と言われてます。Twitterだけで調べてみても、
@perfuming 韓国タイヤだけはマジやめとけww ほんと危ないから。
— ゴッシ@R7L (@gossi_nsr) 2014年7月18日
ナ⚫カンとかハン⚫ックとかの韓国タイヤで危ない目にあってるから次は国産のエコタイヤを履こう
— ぽん (@pon_b16) 2015年11月10日
別に峠とか攻めないしね
(走らないとは言ってない)
こんな感じで、批判的な内容がいっぱい出てきます。
しかし一方で、メルセデスベンツやBMWなど、日本では高級とか高性能と言われている車のタイヤにも韓国メーカーのタイヤが新車装着されています。
以下に実際のニュース記事を載せておきます。
むむむ…危ないとか滑るとか散々言われているのに、安全性を特にアピールしたいはずの自動車メーカーが純正品として採用しているとは…なぜでしょう?
本当に危ないのか、それとも安全なのか。実際は如何に?
【韓国製のタイヤの特徴】
それではまず、自分の経験から韓国タイヤの特徴をいくつか挙げていきたいと思います。
(特定のメーカーが、と言うわけではなく全般的なイメージです)
・ゴムが硬い
タイヤ屋さんなどで触ってみると分かるのですが、外国製のタイヤは全般的に硬いです。国内メーカーのブリヂストンやヨコハマタイヤなどと比べると特にわかりやすいかと思います。
もし、触って比べられる機会があれば、実際にタイヤの表面を指で押してみると体感できると思いますよ。
タイヤのゴムが硬いと、振動や乗り心地にも影響してきます。好みが分かれるところですけどね。
・音がうるさい
音の大きさはゴムの硬さや溝の切り方、内部構造によっても変わってきますが、やはり国産メーカーと比べると走行音が大きいタイヤが多いです。
気にしない人は気にしないと思いますが、最近の車はもともと静かな車が多いので、気になってしまう人も意外と多いかもしれません。
・減りにくい
先に挙げた「ゴムが硬い」という特徴とリンクしますが、ゴムが硬い、ということはその分「減りにくい」ということでもあります。
厳密にはタイヤが減る際には路面との摩擦係数やらいろいろ細かい計算やらなんやらありますが、硬いゴムなら減りにくい、というのは至極単純な理屈です。
・滑りやすい
これもゴムの硬さの影響による部分が大きいですが、硬いゴムは滑りやすいです。
消しゴムをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
新しい消しゴムって軟らかくて、書いてある文字をグングン消してくれますよね。
しかし、古い消しゴムだと硬くなってしまっていて、滑ってなかなか文字が消えません。
これと同じで、硬いタイヤだと路面をとらえる力が弱くなって、滑りやすくなる、という感じです。
・ヒビの入りが早い
もちろん例外もありますが、韓国製のタイヤは使い始めて数年でタイヤの表面や側面がヒビヒビになってしまうものが多いです。
ヒビ割れに関しては、ゴムの硬さ、ゴムに配合されている薬剤、乗る頻度や走行距離など様々な要因があるので一概にタイヤのせいだとも言えませんが、韓国タイヤは比較的ひび割れが早いイメージです。
ヒビ割れはパンクやバーストの原因にもなるので、なるべく普段からタイヤをしっかりとチェックしておく方がいいですね。
ざっと挙げましたが、僕のイメージだと大体こんな感じです。ちょっとネガティブな印象になってしまったかもしれませんが、それでも海外の有名メーカーは新車にこれらのタイヤを付けています。なぜでしょう。
そこで、次はなぜ輸入車がこれらのタイヤを採用しているのかを考えます。
【海外の有名メーカーが使用している理由】
さて、少しネガティブなイメージの多い韓国製のタイヤですが、それでも海外の大手自動車メーカーは実際に新車に採用しています。
それは何故なのか。その理由をを考えていきたいと思います。
(ここからは特に僕自身の考察なので、証拠や論拠があるわけではありません。)
・そもそもターゲットが違うから
韓国メーカーのみならず、中国や台湾などのアジアンタイヤがメインの市場として見据えているのは、ヨーロッパやアメリカです。特にヨーロッパは、BMWにメルセデスベンツ、フォルクスワーゲンにアウディ、ルノーなど誰もが知っているメーカーの宝庫です。
タイヤを販売するのであれば、当然その市場が大きいところをメインで販売したいに決まっています。
そうなると、当然タイヤの性能もその市場に合わせた性能・能力のタイヤを作るわけですね。
結果的に、ヨーロッパやアメリカ向けの性能のタイヤになり、日本の市場には(価格以外では)合わないタイヤになってしまうのではないでしょうか。
さらに、もう少し個別に考えていきます。
タイヤのゴムが硬い理由
ヨーロッパの街並みをイメージすると、石畳の道が残っていたり、未舗装の道だったりが思い浮かびませんか?
もちろん、大部分の道は舗装されていますが、観光地や大きな都市部、または逆に地方都市などでは古い石畳の道を残している地方もあります。石畳はアスファルトよりもがたつきやすかったり、硬かったりするので、タイヤも減りやすくなります。
また、舗装されている道でも、日本のアスファルトと海外のアスファルトでは質が違い、路面状況としてはどうしても日本の道より劣ります。
特にアメリカではコンクリート舗装の道も増えてきており、アスファルトよりも硬い為にタイヤもより消耗しやすくなります。
さらに、ドイツのアウトバーンなど速度制限のない道も存在する上、1回の走行距離も日本と比べて長い為、タイヤにかかる負担はさらに増えます。
以上のことから、軟らかいタイヤではすぐにすり減ってしまい、使い物にならなくなってしまう。そのため、ヨーロッパやアメリカを主戦場にしているタイヤメーカーは硬いタイヤを製造していると考えられます。
音のうるささについて
先に音がうるさいという特徴を上げましたが、これもヨーロッパやアメリカ向けならではだと思います。
というか、正確には日本人の方が音に敏感である、という感じです。
例えば、車のブレーキパッドが減ってきてキーキーなる時。日本人は「異音がする!おかしい!」と思いますが、ヨーロッパ圏ではむしろその音さえメロディとして楽しむ、なんて記事を昔読んだことがあります。
音の感じ方が日本人と海外では違うのかもしれません。
まぁ実際には先ほどの道路事情により、もともと走行音がうるさくなる道が多い為にあまり気にされていないのかもしれません。
実際、海外の有名なタイヤメーカーの快適性重視のタイヤを履いたことがありますが、正直走行音は静かとは言えなかったです。
日本はきれいに舗装されている道が多い分、少しの音にも敏感なのかもしれません。
滑りやすさについて
ゴムは熱を加えれば軟らかくなり、それに伴いグリップ力も上がっていきます。
タイヤで言えば、走ればその分地面と摩擦するので、タイヤが温まって軟らかくなり、滑りにくくなるのです。
海外の大手タイヤメーカーの商品でも、表面のゴムは硬いことが多いです。これは、最初は硬くても、走ってタイヤが温まれば問題ない、という考えからだと思います。
日本においては運転時間が短距離になることが多く、結果的にタイヤが温まらない上に雨も多いので、滑りやすいというイメージがついてしまっているのではないでしょうか。
しかし、ヨーロッパやアメリカでは一度の移動距離が長いことと、路面状況が日本と比べ良くないことから、タイヤに負担がかかり逆に温まりやすいので、問題視されていないのではないかと考えます。
ヒビ割れについて
ひび割れは、ゴムが硬くなってしまい、ビシビシと割れてくる症状です。
先ほどと同じく、タイヤは走って温まれば軟らかくなりますが、日本だとそこまで走らないのでひび割れが早いのではないかと思いますが…もう一つ。
タイヤに含まれている添加剤についての違いもあります。タイヤのゴムに含まれる添加剤の中には紫外線によるゴムの硬化を防ぐ薬も入っています。
安いタイヤはどうしてもその硬化防止剤の量が少ない為、ひび割れはし易くなってしまいます。
それでも純正採用されている理由。それは…
純正採用されているようなタイヤは、韓国製の中でも高価なタイヤだからです。
一概に韓国製だとは言っても、高いものから安いものまで様々あります。
新車に使われているようなタイヤは、その中でも高級なランクのタイヤが使われているので、この問題もクリアしているのでしょう。
ざっと、自分の考えを書き出してみました。韓国タイヤの一見ネガティブに見える特徴も、ちゃんと理由があると考えると、一概に否定もできないのじゃないかと思います。
【韓国タイヤが向いている人、向いていない人】
上記の特徴や理由から、韓国製のタイヤが向いている人は、
- 走行距離が多い人
- 固めの乗り心地が好きな人
- あまり音を気にしない人
- タイヤの状態を定期的にチェックできる人
- 雨の日の運転が苦じゃない人
逆に国産メーカーのタイヤが向いている人は、
- ちょこちょこ乗りが多い人
- 乗り心地を気にする人
- 走行音が気になる人
- 車に詳しくない・興味がない人
- 雨の日の運転が苦手な人
こんな感じです。「韓国製だから」とか「国産だから」と一括りにするのではなく、その特徴を知って使うことのほうが大切だと思います。
価格ももちろん大事な部分ですが、タイヤは車の中で唯一地面と接している部品ですから、価格だけで選ぶのは考えものだと思っています。
いくら自動車自体の安全性が高まっても、タイヤが滑ってしまっては意味がありませんからね。
個人的には、妻の場合は国産メーカーのタイヤの方を勧めたいのですが…
しかし、一口に国産メーカーと言っても、こちらもピンからキリまであります。そのあたりはまた機会があれば書いてみようかと思います。
今回は長文で疲れた…ではまた!
(画像引用:5 million+ Stunning Free Images to Use Anywhere - Pixabay)
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