くろしろちゃとら

お姉さん犬と弟猫たちの日々、そして趣味の雑学ブログ

入れた方が良い?タイヤ交換のオプション〜窒素ガス編〜

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(画像引用:Pixabay)

どうもみなさんお疲れ様です。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、対人戦のゲームではとことん弱いゴーシです。ジャンル問わず。逆オールマイティ

 

さてさて、だいぶ前の記事ですが、タイヤ交換の必須工賃について紹介しました。

 

goushi.blog

しかし、タイヤ交換の時って前に解説した必須の工賃以外にも色々と勧められたりしますよね。それって、要るの?要らないの?

今回はそんなオプション工賃の一つ、窒素ガスについて話していこうかと思います。

 

ではいこう!

 

窒素ガス充填の特徴とメリット

(画像引用:Pixabay)

窒素ガス充填とは、タイヤに入れるエアー(空気)を、窒素ガスに変えるというもので、大体タイヤ1本あたり300円〜500円くらいのオプションです。

おそらくカー用品店などでタイヤを購入した際に最も勧められやすいのではないでしょうか。

 

普通の空気ではなく、「窒素ガス」。なんか凄そうですよね。

 

しかし、そもそも窒素自体は普通の空気にも含まれています

というか、むしろ空気の8割が窒素で構成されています。(残り2割が酸素やら水素やら。)

ほな普通の空気でええやん、となりますが…窒素ガスを充填する事で何が変わるのか。

 

カー用品店やガソリンスタンドなどでは、窒素ガスのメリットとして

  • 空気圧点検の手間が軽減される
  • 燃費の向上
  • 走行ノイズの低下
  • タイヤトラブルの軽減(偏摩耗・火災等)
  • タイヤやホイールの劣化を抑える

こんな感じの説明を受ける事が多いと思います。

では実際どうなのか。一つ一つ考えていきましょう。

 

空気圧点検の手間が軽減される

一般的に、タイヤの空気は1ヶ月に5〜10%ほど自然に抜けていくと言われています。タイヤメーカーやタイヤ屋さん、車屋さんが「月に一度は空気圧点検!」とアピールしているのはこの為です。

 

しかし、窒素ガスを入れた場合は話は別。

窒素は酸素よりもゴムに対しての透過率(抜けやすさ)が低いので、普通の空気を入れた状態のタイヤと比較すると、1ヶ月経っても自然に抜ける量が少ないのです。

 

その為、「月に一度は空気圧点検!」の手間が2ヶ月に一度、3ヶ月に一度程度に軽減できる、となるのです。よって、この特徴(メリット)は嘘ではありません。

 

燃費の向上

タイヤの性能というのは空気圧によって大きく左右されます。燃費性能もその一つ。

窒素ガスにより空気が抜けにくいと言うことは、適正な空気圧を維持しやすいと言うこと。

 

そして適正な空気圧を維持できると言うことは、空気圧の減少による燃費の低下を避けられると言うことです。

 

…ん?これって燃費が悪化しにくくなるだけであって、向上するわけではないのでは?

でも空気圧を全く気にせず、いつも空気が減ったままの状態で乗っている人からすれば燃費向上にはなるわけで…

 

まぁつまり、「燃費が向上する」という説明に関しては「乗り手によっては正しい」となりますね。

 

 

走行ノイズの低下

窒素ガスを入れると運転時の音が静かになる」と言う人がいます。実際に僕もカー用品店で働いていた当時、そう教えられてましたし、この説明をする先輩もいらっしゃいました。

 

しかし窒素を入れたら音が静かになるという科学的な根拠はありません(Wikipedia調べ)し、そもそも空気の8割が窒素なんだから2割しか変わらへんやろ。

…と、思いましたが、冷静に考えれば一応、理屈は通ります。

 

例えばタイヤの空気圧が低い場合、タイヤは当然潰れます。潰れると、地面と接触する面積が増えます。

地面と接触する面積が増えれば、当然走行音も増大します。

逆に空気圧が適正なまま保たれていれば、走行音は増えません(減りもしないけど)。

 

つまり、燃費向上の項目で述べた内容と同じく、タイヤの空気圧が低い状態で乗り続けている人にとっては、確かに音が静かになったと感じる可能性はあります。

 

よってこの特徴も、「人によっては正解」となります。

 

タイヤトラブルの軽減

タイヤトラブルと言っても様々ありますが、この場合は主に偏摩耗の抑制、さらには偏摩耗によって引き起こされるタイヤバーストや、バースト時の発火を抑えると言うことを指していると思います。

 

偏摩耗とは、タイヤの外側や内側等の一部が極端にすり減ってしまうこと。

クルマの足回り(アライメント)がズレている場合や、タイヤの空気圧過多、空気圧不足によっても起こる現象です。

この極端に一部が減っているタイヤを使用し続けると、騒音や振動、スリップ等の走行時のリスクが高まり、さらに気づかずに乗り続けるとタイヤバーストにつながります。

また、バーストした際に速いスピードで走っていると、地面との摩擦熱で温度が急激に上がり、タイヤ内部の酸素と反応して発火する、と言うリスクがあります。

 

窒素ガスを入れることで空気圧を適正に維持できるので、上記トラブルの原因となる偏摩耗を軽減する。そしてもしバーストしたとしても、酸素や水素が含まれていない分、発火の危険性を抑えられる…というのがこの説明の根拠です。

 

まぁ、この説明に関しては問題なく正しいと言えると思います。

(発火に関しては、航空機のタイヤ並みのスピードor摩擦熱を発生させなければ起こらないと思いますが…)

 

タイヤやホイールの劣化を抑える

窒素ガスを充填した場合、通常の空気と違い酸素や水分を含んでいない為、ホイールやタイヤの酸化や劣化を抑えることができます。

古いクルマのタイヤホイールって、錆びサビになってたりしますよね。

サビは空気中の酸素や水分が原因ですので、窒素だけを充填することによってホイールの錆びを抑える、と言うこの説明も間違ってはいないと思います。

 

またタイヤに関しても、ゴムが水分を含んでしまうと加水分解という化学反応を起こしてしまい、ボロボロになってしまいます。

その為、少しでも水分の含まれない気体として窒素ガスを充填すると言うのも納得できると思います。

 

つまり、この説明も問題なく正しいと思います。

 

窒素ガスは入れたほうがいいのか?改めて考える。

(画像引用:Pixabay)

さて、窒素ガスの一般的に言われている特徴とメリットについてはお話しした通り。

では上記のメリットを飲み込んだ上で、「本当に必要なのか?」を考えながら先ほどのメリット部分を見返していきます。

ここからは個人的な考えに基づくツッコミが多いので、ムカつく方はブラウザバック推奨です。

 

空気圧点検の手間の軽減について

正直な話、窒素ガスのメリットとして一番大きいと思うのはこの部分です。

大半の方は、「月に一度の空気圧点検」なんてやってませんよね?(偏見)

 

自分の場合は職業柄、意識して見るようにはしていましたが、サーキットに行く人や車好きの方で無い限りは、タイヤの空気圧など気にもしない人が多いと思います。

 

そんな人にとっては、窒素ガスは大きなメリットがあると思います。実際、自分の車に入れて試してみたところ、最低でも3ヶ月空気圧の変動はありませんでした。(最大で半年間変わらなかったこともありました。)

 

…しかし!冷静に考えてみてください。

「窒素は酸素よりも抜けにくい」

と言うことはつまり、普通の空気を充填した場合、主に抜けていくのは酸素だと言うことです。

では自然に空気の抜けたタイヤの内部に残っているのは?答えは抜けにくいとされる窒素です。

そしてまた普通の空気を充填したとします。ですが、また自然に抜けていくのは酸素等がメインで、窒素は残ります。そしてまた普通の空気を補充して…

 

…という風に考えていくと、普通の空気を入れ続けたとしても、段々と窒素の割合増えてくんじゃね?そしたら窒素ガス入れる必要なくね?というのが僕の考えです。

 

まぁ、もちろん中身の大部分が窒素に置き換わるまでは定期的な空気圧の点検・補充が必要ですので、どうしても忘れちゃう、クルマの定期点検の時しか空気圧見ない!と言う人は入れたほうがいいと思います。(まぁ窒素でも空気圧点検は必要だけど)

 

燃費の向上について

特徴とメリットの項目で説明した通り、あくまでこれは「燃費の回復」であって「向上」ではありません。

それに、燃費についてはアクセルの踏み方や車に乗っている人・荷物の重さ、空気抵抗など様々な要因があり、タイヤの空気圧はその一部でしかない為、魅力に感じるほど大きなメリットではないと思います。

 

…っていうかこれも空気圧を適正に保っていればそもそもメリットにならない…

 

走行ノイズの低下

燃費と同じく、これも「ノイズの低下」と言うよりは「回復」です。その為、タイヤの空気圧を適正に保っている場合はなんのメリットにもなりません。

そしてタイヤからの走行ノイズは、空気圧の影響もありますが、一番はタイヤの質・グレードによる所が大きいです。

 

その為、タイヤのノイズが気になる方は、タイヤを買い換えるタイミングで少しいいタイヤを選ぶ方が圧倒的にいいと思います。

(もちろん、いくら良いタイヤでも空気圧が適正でないと性能を発揮できませんが)

 

タイヤトラブルの軽減

タイヤトラブルの原因の一つ、偏摩耗は確かにタイヤの空気圧が適正でない事からも引き起こされます。

しかしながら、空気圧を適正に保っておけばそもそもそのリスクを低減できます。

そして、もしタイヤアライメント(タイヤ角度の調整)が原因の場合は、窒素を入れていようが空気圧を適正にしていようがどちらにせよ無意味となります。

 

また、タイヤのバーストについては空気圧が適正であっても、高速走行中に釘や金属片を踏んでタイヤに穴が空いてしまっては一発アウトです。

 

では、発火の危険性についてはどうか。

酸素を含んでいない分、窒素ガスを充填していれば確かに発火の可能性は低くなりますが…そもそもタイヤが発火するほど熱を持っていた段階で、タイヤの外部にはそれこそ大気が存在しますので、どちらにせよ発火すると思います。

(航空機のタイヤで窒素が入れられているのは極限まで安全性に配慮している為であり、実際にはそこまで安全性は変わらないと思います)

 

繰り返しにはなりますが、月に一度の空気圧点検・補充をしていれば、あまり大きなメリットとはなりません。

 

タイヤやホイールの劣化を抑える

水分、そして酸素による劣化を防ぐ、と言う観点では、窒素ガスと通常の空気の間には明確な違いがありますので文句のつけようがありません。大きなメリットです。

 

しかし…最近の車のホイールって、最初からアルミホイールが装着されていませんか?

 

もちろんアルミホイールでも錆が出ないわけではありませんが、鉄製のホイールと比べると格段に錆に強いです。

またタイヤについても水が天敵なのは間違いありませんが、基本ほぼ密閉されているタイヤの内部よりも、紫外線や雨の影響を受けるタイヤの外側の方が劣化は早いはずです。

(もちろん内部が濡れた状態のタイヤをそのまま組み込んだ場合は別ですが)

 

以上の事から、水分や酸素を含まないと言うことについてはメリットである事は間違いありませんが、そこまで大きな影響は出ないのではないかと言うのが僕の見解です。

 

まとめ

さて、今回はタイヤ交換時に勧められる事の多いオプション第1位(ゴーシ調べ)の、窒素ガスについての紹介でした。

 

長々と書きましたが、まとめると

  • 窒素を入れるとタイヤの空気が抜けにくくなる
  • タイヤの空気圧が抜けにくくなる事で、トラブルのリスクを軽減できる
  • 水分や酸素を含まない分、劣化や錆びを抑えられる

と言ったメリットがあります。

 

しかし、上記のメリットは「空気圧が適正に保たれている」事が条件ですので、定期的に点検していれば普通の空気でも問題ありません。むしろ窒素ガスを入れているからと言って1年も2年も点検しなければ、やはり無意味となります。

 

また劣化や錆に関しても、鉄ホイールの場合は効果があるかもしれませんがアルミホイールが普及している現代においては余りメリットを感じませんし、余程気を遣わない限りタイヤやホイールの外側の方が先に劣化・錆が出てくるはずです。

 

この事から、やはり窒素ガス自体に大きなメリットはないのではないかと思います。

 

ただし、

  • 少しでも空気圧チェックの手間を減らしたい人
  • 高速道路での長距離運転が多い人

上記に該当する方は確かに利点があると思いますので、窒素ガスを入れるのもいいんじゃないかなと思います。

 

※ちなみに窒素ガスを入れたタイヤに普通の空気を補充しても何も問題ありませんのでご安心を。

 

 

 …あ、僕?僕は窒素ガス入れてます。だって夏場・冬場に屋外で空気圧チェックなんかしたくないもんね!(本末転倒)

 

以上、実体験からくる窒素ガスのお話でした。

 

 

ではまた‼︎