どうもみなさんお疲れ様です。
学生時代にハードボイルド小説にハマり、常に皮肉を言うのがカッコいいと思い込んでいたゴーシです。
おかげで周りから疎まれる人間に成長できました!黒歴史よ。
さて、冒頭に書いた通り、私ゴーシは学生時代にハードボイルド小説にハマっていました。
ハードボイルドに憧れてタバコも吸い始め、音楽も、分かりもしないジャズを好んで聴いていました。(眠気を我慢しながら)
そんな私が黒歴史に落ちるキッカケを作ってくれたのが、今回ご紹介する『探偵 神宮寺三郎シリーズ』です。
探偵 神宮寺三郎とは?
では、この『探偵 神宮寺三郎』とはなんなのか。
『探偵 神宮寺三郎』とは、1987年から続くゲームを中心としたハードボイルドミステリーのシリーズであり、そのシリーズの主人公の名前です。
(↑彼が噂の神宮寺三郎)
新宿歌舞伎町に探偵事務所を構える、30歳(後のシリーズでは32歳)の長身の男。
この神宮寺三郎が遭遇する事件を描くアドベンチャーゲームが神宮寺三郎シリーズであり、現在までファミコン、PlayStation、セガサターン、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDSや、果ては携帯やスマホアプリなど様々なハードで発売されています。(他にも小説やコミックも出ているけど)
シリーズ1作目の発売からすでに35年以上経過していますが、今だに継続している息の長いシリーズなのです。(にも関わらず知名度は今一つだけど。僕は大好き!)
神宮寺三郎シリーズの魅力
では、ここからは僕の大好きな神宮寺シリーズの魅力についてご紹介していきたいと思います。
魅力その①ハードボイルドな物語
一般的なミステリーのゲームや探偵物のゲームといえば、難解なトリックや謎解きがメインのイメージですが、このシリーズは方向性が違います。
派手なトリックや現実離れした事件などは(ほとんど)なく、まるでハードボイルド小説を読んでいるかのような、現実的かつ時に非情な物語。
より身近に感じられる事件・舞台を軸に、様々な人間ドラマが展開していくのがこのシリーズの特徴です。
難解な謎解き要素もなく、じっくりと物語を楽しむことができるので、推理系が苦手な人でも最後までストーリーを味わうことができます。
しかも、小説やドラマと違って自分で選択肢を選び、話を進めていくので没入感もとびきり。
もちろん現実の探偵とは異なる部分も多々ありますが、渋い男の人間ドラマが好きな人、ハードボイルド小説が好きな人であれば必ずハマると自信を持って言えるゲームです。
魅力その②シンプルなゲームシステム
ゲーム自体は、シリーズ通して昔ながらのコマンド選択式のアドベンチャーゲーム(『見る』『話す』『調べる』等の選択肢から行動を選ぶやつ)なので、特に複雑な操作を覚える必要もなく、物語に没頭できる作りになっているのも特徴です。ゲームが苦手な人でも安心。
ミステリーにおいて肝心な推理パートでも、事前に神宮寺が独り言のようにある程度ポイントをまとめてくれるので、よほど推理で詰むような事はありません。
もし間違った選択肢を選んでしまったとしても、大抵のシリーズでは神宮寺が「ちょっと待てよ?」と言って改めて考え直すチャンスをくれます。
歯応えのある推理を望んでいる人には向かない要素かもしれませんが、その分物語に集中する事が出来るようになっています。
(ちなみに難しい推理をしたい人向けに、PS版以降の作品には『謎の事件簿』というコメディチックなショートシナリオも収録されています。これが意外と手強い!)
魅力その③話す・調べる・タバコ吸う
上記の通り、「THEスタンダード」な作りのこのゲーム。しかし、この神宮寺三郎シリーズ、他にはない特徴があります。それは…
『タバコ吸う』コマンド!
まさにこのシリーズを象徴する、この『タバコを吸う』というコマンド。一見、なんの意味のない行動に見えますが、このシリーズにおいては重要な要素となります。
タバコを吸われる方は共感できるかもしれませんが、タバコを吸ってる時って一息つくことでリラックスできますよね。
その間に自分の頭の中を整理したり、考えをまとめたりする人も少なくないのではないでしょうか?
主人公である神宮寺もその1人。事件の捜査に行き詰まったり、事件が複雑化してきたりした際には煙草を一服することで考えをまとめ、事件解決の糸口に気付いたり、今後の捜査の方向性を定めることができます。
その為、(ゲームにもよりますが)普通に「調べる」とか「話す」とか「持ち物」とかのコマンドと同様にしれっと並んでいます。
嫌煙家の方にとってはちと嫌な要素かもしれませんが、このシリーズではこの「タバコ吸う」という操作が大事な要素となっているのです。
この「タバコ吸う」という選択肢。過去に色々なゲームを遊んできた私ゴーシですが、こんな選択肢が出るゲームはこのシリーズ以外見たことがありません。
タバコを吸うという行為はこのゲーム、ひいては神宮寺三郎を象徴する要素の一つであり、大きな魅力だと思います。
魅力その④物語を彩るJAZZ
ハードボイルドに欠かせない要素。それは、酒とタバコと女…ではなく、洒落たジャズ。
先述した通り、このシリーズは難解なトリックや推理の爽快感を楽しむゲームではありません。物語を味わうゲームです。
その物語に華を添えるのが、良質なBGM。基本的にはほとんどがジャズミュージックで、ストーリーの展開、場面に合わせて様々なジャズを楽しむことができます。
そしてそのどれもが場面やキャラクターの雰囲気に合っており、主張しすぎず、それでいて記憶にもしっかりと残るジャズが、物語を鮮やかに彩ってくれます。
このBGMの要素はどれだけ頑張っても小説では味わえない、ゲームならではの体験だと思います。
魅力その⑤魅力的なキャラクター
神宮寺シリーズでは、主人公だけでなく周りを固めるレギュラーキャラクターも非常に魅力的です。
まず、主人公である神宮寺三郎は身長179cmのガタイのいいコワモテおじさん。
無愛想で口数も少ないですが、実はお人好しの性格で、困っている人を見過ごせません。またヤクザ相手にも引けを取らない強さや・大胆さを持ち、ヤクザや警察からも一目置かれている探偵です。
煙草を吸うことで考えをまとめる癖があり、それによって複雑な事件を論理的に推理していきます。
助手である御苑洋子は5ヶ国語をマスターしている才女であり、事務処理や直感力で神宮寺をサポートする優秀な助手です。大学時代に留学先のアメリカで神宮寺と出会い、その後日本でも再開したことで神宮寺の元で働くこととなります。
生活能力が今ひとつな神宮寺を公私共にサポートしている優秀な女性です。(ちなみに作品によって全然顔が変わります…本当の顔はどれなんや…)
熊野参造警部は神宮寺の親友であり、新宿淀橋署勤務の警察官。名前の通りクマさんのような
見た目で、愛称は熊さん。神宮寺とは対照的に人当たりの良く人間味のある性格・言動のキャラクターで、事件の捜査の際には神宮寺と協力し、新宿から犯罪を撲滅する為に奔走します。(ちなみに口癖は「ふもっ!」です。かわいい。)
風林豪蔵組長はこのシリーズ当初から登場するヤクザ、関東明治組の大親分です。
ヤクザとはいえ、拳銃と麻薬は御法度、義理人情を重視する昔ながらヤクザです。この風林親分も捜査の最中に何度も相対しますが、神宮寺の度胸の良さと人柄を認めており、事件によっては協力もしてくれる頼もしい親分です。(親分、すいやせん…ちょうどいい画像がありませんでした…)
その他にも明治組の若頭の今泉や、熊さんの同僚の小林警部補など、どのキャラクターもそれぞれの信念がしっかりとあり、現実に存在してもおかしくないような人物像が設定されています。そしてこのキャラクター達の織りなす魅力が、物語にさらに深みを増すことに一役買っているのです。
神宮寺三郎シリーズのオススメ作品三選
さて、ここまで神宮寺シリーズの魅力を語ってきましたが、最後にオススメ作品の紹介。
もちろんどのシリーズも最高に面白いのですが、その中でも個人的にオススメな作品を紹介します。
ストーリー重視なら『夢の終わりに』
神宮寺シリーズ第6作目の『夢の終わりに』。対応機種は初代PlayStationとセガサターンです。
神宮寺の助手、御苑洋子の友人からストーカー被害の相談を受けて始まる事件。
簡単に解決したはずの事件でしたが、その後その友人が行方不明になってしまい、さらに世間を騒がせている新型の麻薬も事件に絡んできて…という物語です。
個人的にはストーリーが最高でした。
それまでのシリーズでは、探偵とその優秀な助手、という程度の描かれ方しかされていなかった神宮寺三郎と御苑洋子。
しかし、今作では事件を通して2人の過去、そして2人の間の悪夢が掘り起こされます。
事件も当初のストーカー調査から二転三転し、終盤には神宮寺にとって衝撃的な展開も待ち構えています。
さらに、主要人物4人の視点から事件を追うことのできるザッピングシステムもあるため、一つの物語でも神宮寺と洋子、そして熊野警部などキャラクターにより違った印象を受けることができます。
また、「神宮寺がこう動いていた時、熊さんはどうしていたか?」など物語の裏側を知ることができるので、一つの事件についてより深く物語を知ることができます。
次々に明らかになる真実に、目まぐるしく移り変わる展開。最後まで飽きることなくプレイでき、最後には大きな感動を感じることができるはず。
ゲームはストーリー重視!な人には是非ともプレイしてもらいたい一作です。
初期作品をまとめてプレイ!『アーリーコレクション』
こちらは、「シリーズものは絶対1作目からプレイしたい!」という方向けの作品。
『探偵 神宮寺三郎 Early Collection』です。対応機種はPlayStation。
この作品は、神宮寺三郎のファミコン時代の4作品(5作目からはプレステやセガサターンになったので)を一つで遊べるソフトです。
グラフィックやBGMなどはファミコン当時のままの移植ですが、なんせ2作目以外はファミコンと言えどもファミコン ディスクシステムでの販売だったこともあり、今からオリジナル版をプレイしようとするとかなりハードルが高くなります。
しかしこのソフトなら一本で当時の作品がそのまま遊べることに加え、追加要素としてヒント集やイラストギャラリーなども楽しめます。
その為、シリーズを一から楽しみたい!と言う人にはこちらがオススメです。
(さすがに当時そのままだからグラフィック等は好み分かれるかもだけど)
個人的最高傑作!『灯火が消えぬ間に』
神宮寺シリーズ第7作目。こちらも対応機種はPlayStationです。
個人的には最新作まで含めて考えたとしても、この作品が神宮寺シリーズの集大成と言っても過言ではないくらいの最高傑作だと思っています。
ストーリー、BGM、グラフィック、システム…全てが綺麗に融合しています。
そんな中でも、個人的に他のシリーズ作品と一線を画していると思う推しポイントは3つ。
一つは時間の概念です。
今作では調査する場所を移動する事に時間が経過します。もちろん、距離によってかかる時間も変わってきます。
その為、一日の間にどのような順番で調査・捜査を進めていくのか考えて行動する必要があります。
この時間の概念により、ただ単にテキストを読み進めるだけではない緊張感が生まれ、よりプレイヤーが神宮寺に感情移入しやすくなっています。(とは言ってもそこまで捜査日程的にキツキツではないので、神経質になる程でもないいい塩梅。)
2つ目は、聞き込みモード。
それまでの作品でも容疑者や重要人物に聞き込みをかけるシーンは存在しましたが、それはただ単に「話す」コマンドを実行するだけのようなものでした。ボタンを押せば神宮寺が勝手に色々と話したり交渉したりしてくれるので、プレイヤーはテキストを読むだけだったのです。
しかし、今作ではプレイヤーが主体的に相手と交渉をする必要があります。
相手の態度や表情、機嫌を観察しながら、最適な話題、行動を選択していく。
時間の概念同様、この聞き込みモードによって証言を引き出す際の緊張が高まり、よりプレイヤーと神宮寺の一体感を高めてくれるのです。(もちろんこちらも失敗したら即終わり、ではなく、時間をおいて再度挑戦することができる救済措置があります。)
3つ目は、マルチエンディングの採用です。
それまでの神宮寺シリーズでも、複数のエンディングが用意されているものがありましたが、あくまでグッドエンドかバッドエンドか、の違い程度でした。
それが今作では「時間」と「聞き込みモード」の実装により、様々なエンディングを迎えられるようになりました。
ずっと聞き込みに失敗し続けていたり、無駄な場所ばかり調査していたり、急ぐべき場面で寄り道したりと遊んでばかりいると、事件の解決は出来ません。
エンディングによっては主要人物が死亡してしまったり、事件が闇に閉ざされてしまったり、場合によっては神宮寺自身が大変な目にあってしまいます。
このマルチエンディングの採用により、ただのコマンド総当たりのアドベンチャーゲームではなく、プレイヤーが「次に何をすべきか」「どこに行くべきか」を常に考える必要が生じ、行き詰まった時には「タバコを一服して頭を整理する」という神宮寺の特徴をも違和感なく溶け込ませています。
まさに探偵シミュレータと呼んでも過言ではない傑作!
神宮寺三郎になりきって遊ぶことのできる傑作「灯火が消えぬ間に」。現実世界の「探偵」とは異なるかもしれませんが、漫画や小説における探偵になりきりたい方にはピッタリだと思います。
まとめ
今回は僕の大好きなゲームシリーズ、「探偵 神宮寺三郎」についてご紹介しました。
ぶっちゃけ書きたいことをかなり削ってもこの長さになってしまいましたので、恐らく今回の記事は読みにくいことこの上ないと思います。最後まで読んでくれた人ありがとう、そしてごめんなさい。
最後にお勧めしたシリーズはどれも初代プレイステーションの作品の為、現在遊べる方は限られてくると思いますが…まだ初代プレイステーションやPS3を持っている方ならプレイ可能です。
それに現在もスマホアプリでプレイ可能な新作が出ていますので、気になる方は是非一度!
プレイしてみていただければと思います。
今回はかなり長くなってしまいましたが、神宮寺シリーズの魅力はまだまだ紹介しきれていないので、また機会があれば個別の作品についても紹介していきたいと思います。
ではまた‼︎