先日の記事で、韓国タイヤについてまとめてみました。危ないと言われていますが、実際は使い方や環境次第、という内容でしたね。
(まぁ、国内の一般的な使い方には向かないとおもいますけど)
妻は、「だったら国産の安いタイヤか、中古でいい!」と言っていますが…
それでは、国産のタイヤならどれでも安心なのでしょうか?いやいや、国産タイヤも一筋縄ではいきません。
今回は、国産タイヤの中でも特に安いイメージの、中古タイヤや格安タイヤのメリット・デメリットについて、元カー用品店販売員としての経験・知識を元に書こうと思います。
(今回も僕個人の主観や価値観が多分に含まれていますので、その辺はご了承を!)
中古タイヤのメリット・デメリット
それではまず、大手メーカーのタイヤも格安で手に入る!中古タイヤについて。
中古専門のカー用品店も最近は多くありますし、メルカリやヤフオクなどでも扱われています。
個人間での取引も容易になった事でより一層人気高まっている中古タイヤのメリットやデメリットを、簡潔にまとめます。
メリット
1.有名メーカーのタイヤでも安く手に入る
一番はやはり価格。普通のカー用品店やタイヤ屋さんの半額ほどの値段で買える事もザラにあります。
ヤフオクやメルカリなどでも出品されていることが多く、とにかく有名メーカーのタイヤが安く欲しい!と言う方には非常に有意義な選択肢だと思います。
2.中古品と言えども、状態の良いものがある
中古品といえども、状態の悪いものばかりではありません。実際に中古タイヤ屋さんにも何度か足を運んだこともありますが、ほぼ新品同然のタイヤなど、「このタイヤがこんな値段で!?」と驚いた事も多々ありました。
ふらっと見に行くとたまにお宝のようなものもあったりするので、意外と侮れません。
3.近年人気が上がってきている為、在庫も豊富に揃えてある
近年の中古品に対する意識の変化から人気も高まっており、中古タイヤを扱っているお店も増え、さらにアプリで出品する人も多い為、少し探すだけでも豊富に見つかります。
特に人気車種や人気のサイズ(多くの車種が採用しているサイズ)などは、ほぼほぼ中古品でも見つかります。以前のような、「中古品は物が少ない」イメージは完全に変わっていますね。
4.ネット通販などでも探すことが容易
先ほどの内容と被りますが、最近はアプリなどネットで探すことも容易な為、わさわざお店まで行かなくても買えちゃう事が多いことも魅力ですよね。
またネットを使う為、価格の比較も容易に行えますので、わざわざ安い店舗を探して走り回る、という必要がない事もメリットだと思います。
ざっと考えつく限りでは、以上の4点です。では次に、デメリットも見ていきましょう。
デメリット
1.状態の良いものはそれなりに値段がする
タイヤの知識のある中古屋さんの場合は、やはり良い状態のものはしっかりした価格設定をされているものも多いです。
僕の見た限りでは、「確かに新品を買うよりは安いけど、この価格なら新品買うなぁ」と思えるものも見受けられました。
安いはもちろん安いけれども、一概にコスパが良いとは言い切れない部分もあります。
2.状態の良し悪しを見極めるには、ある程度タイヤの知識が必要
タイヤの状態の良し悪しにも非常に差があります。
もちろん、パンク修理してあったり、ほぼ溝がない状態のタイヤなどは見れば分かりますし、明記もしてあります。
しかし、その状態でも売られているのだから安心…ではなく、その先に待つリスク、危険性まで理解するには、ある程度タイヤに詳しくなければいけません。
また、タイヤに関しては目に見える状態だけでなく、タイヤのゴムの状態(硬さ)やひび割れ具合、側面の傷の状態や製造されてからの年数など、一見すると分かりにくい部分も安全性に関わってきます。
いくら国産メーカーのタイヤといえども、状態が悪ければ、新品の韓国タイヤの方がマシ、という場合も充分有ります。
3.中古品の為、合うサイズや好きなブランドがない事もある
中古品の為、仕方のないことかも知れませんがサイズによっては全く出回らないタイヤサイズもあります。
ちょっと珍しい車に乗っていたり、もしくは人気車種であっても特別仕様車だったりすると、タイヤサイズが特殊な事も多々あります。
その場合は、新品タイヤであってもなかなか手に入らない事もあるので、中古品で探したくても見つからない、と言う事も充分あります。
また、同じくメーカーやブランドにこだわりがある場合も、中古品の場合は在庫が流れやすく、狙ってもなかなか手に入らない可能性があります。
4.ネット通販では、取り付けまでフォローされていない場合がある
最近は取付してくれる店舗を同時に紹介してくれるサービスもあるので、全てに当てはまるわけではありませんが、「買ったらそれでお終い。取り付けはご自分で」というケースもあります。
もちろんカーディーラーさんや大手カー用品店でも持込タイヤの交換をしてくれますが、その場合はほぼ確実に工賃が割高になってしまいます。
5.ネット通販の場合、実際の状態を確認することが難しい
ネット通販の場合では、直接タイヤを見れませんので、タイヤに詳しい人であっても実際の状態を把握することは困難です。
新品タイヤの場合はそれほど心配ありませんが、中古品の場合だと状態が直接確認できないことは大きなリスクだと思います。
タイヤは命を乗せて走る車の、一番肝となるパーツですので、なるべくなら状態を直接確認できることが、そして良い状態のタイヤを選ぶことが、安全につながると思います。
買って届いたはいいけど、見えにくいところに傷が入ってた!なんて事もありえますから、個人的には一番怖い部分です。
以上が僕の考えるデメリットです。中古ゆえのメリットもあれば、デメリットもある。悩みどころです。
では次に、新品の格安タイヤならどうか?を考えていきます。
格安国産タイヤのメリット・デメリット
オートバックスやイエローハットなど、大手のカー用品チェーンであれば、プライベートブランド品として多数のオリジナルタイヤを展開しています。
大手のカー用品店のオリジナル品で国産品、しかも新品タイヤなら安心なのでは?メリットデメリットを見ていきましょう。
メリット
1.新品タイヤでも値段が安い
格安タイヤはその名の通り、新品なのに値段がとびきり安いです。サイズにもよりますが、ブリヂストンやヨコハマタイヤなどの有名メーカーと比べると、数万円の価格差があります。
「安くて新しい国産のタイヤが欲しい!」と考えている方にとっては大きなメリットだと思います。
2.新品なので状態の心配は不要
中古タイヤと違い、全て新品のタイヤですので状態を心配する必要はありません。
もし仮に、売れ残りなどで製造から1年以上経過していたとしても、タイヤ屋さんの管理された環境であれば3年間は性能が変わりませんので、やはり一度でも使用された中古タイヤとは状態に雲泥の差があります。
「中古タイヤは状態の見極めが心配…」といった方には、大きなメリットかと思います。
3.作っているのは大手のタイヤメーカー
「いくら安くて新品でも、どこで作られているのかわからないタイヤは不安」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そこはご安心。
カー用品店のオリジナルタイヤは、大手のタイヤメーカーに依頼して製造してもらっている場合がほとんどです。(ヨコハマタイヤやダンロップ、トーヨータイヤなど)
その為、タイヤ自体の品質や不具合などの心配はよほどのことがない限りありません。
4.在庫がなくても取り寄せ可能
当然現在進行形で生産されているタイヤですので、中古品のように物が全く手に入らない、ということは起きにくいです。
もちろん、スタッドレスタイヤのように販売時期や生産数が限定されているものは別ですが、夏用のノーマルタイヤであればたとえその場に在庫がなかったとしても取り寄せることが可能です。
5.中古タイヤと比べると価格の変動が少ない
中古品はどうしても市場の流通量によって価格が変動しがちですが、タイヤ屋さんやカー用品店の自社ブランドなどは価格の変動が起きにくいです。
昨今の相次ぐ値上げラッシュによりタイヤも価格が高騰していますが、その中でも比較的値上げの幅が少なく、安定して安いタイヤを購入できます。
以上が、格安タイヤのメリットです。中古タイヤと比べると、状態・在庫・価格が安定していることが魅力ですね。
では続いてデメリットについて書いていきます。
デメリット
1.今の自動車のスペックに対しては力不足
有名タイヤメーカーに製造してもらっている各カー用品店のオリジナルタイヤは、基本的にはそのタイヤメーカーの過去のタイヤの型を流用していたり、少しアレンジしただけのものが主流です。
その為、そのタイヤ自体の品質には問題ないのですが、近年の高性能化した自動車にとっては性能が足りないことが多いです。
例えば、一昔前の軽自動車やリッターカーと呼ばれる1,000ccの普通乗用車などは、高速道路を走るのも一苦労でした。
しかし、今の軽やリッターカーは高速も難なく走れますし、なんなら荷物だってよりたくさん積めるようになっています。つまり、エンジン効率が上がって、よりパワフルになっているということです。
また、最近の自動車は高級車だけでなく、軽自動車やファミリーカーの多くに自動ブレーキや衝突安全対策のカメラやレーダーなどが標準装備されており、どんどん高性能になってきています。
さらに燃費もどんどん良くなっており、音も静か。乗り心地もよい、と常に進化していっています。
その為、今の時代のタイヤはそれだけパワーが上がった車を燃費良く、かつ快適に、しっかり制御できる、自動ブレーキが反応したときにもキチンと止まれるタイヤが求められているのです。
そう考えると、一昔前のタイヤをベースとした性能のタイヤでは、今の車についていくのは少々力不足だと言えます。
2.劣化が早い(ひび割れ・溝の減りなど)
過去のタイヤの流用とは言っても、タイヤメーカーもそのまま販売しているわけではありません。
安く販売するためにはそれなりに生産コストを下げる必要があります。
その一つが、品質を落とすこと。具体的には、ゴムに配合する添加剤の量を減らすということです。
これにより、もともとのタイヤの性能を犠牲にしない代わりにひび割れや溝の減りやすさなどの寿命に関する部分を削って、コストを下げているのです。
(もちろん、全てがそうではありませんし、寿命は車の乗り方によっても変化するため一概に短命とは言えませんが。)
その為、一度買ったら長く使う、というよりも、韓国タイヤのように時期が来たらポンポン変えていく、といった考え方の方が良いと思います。
3.サイズ設定が無いものもある
タイヤメーカーの作っている現行商品であれば、ほぼ全ての車種用のタイヤがなにかしら生産されていますが、カー用品店などのオリジナルタイヤの場合はどうしてもサイズラインナップには限界があります。
そのため、輸入車や旧車など、そもそもサイズ設定がないタイヤも出てきてしまいますし、その場合は諦めてタイヤメーカーの新品タイヤを買うか、中古品が見つかるまで待つ必要が出てきてしまいます。
以上が、国産の格安タイヤのデメリットです。
メリット・デメリットともにまだまだあるかもしれませんが、僕がパッと思いつくのはこんなところ。
それでは最後に、上記のメリット・デメリットを踏まえて、どんな方が中古タイヤや格安タイヤに向いているのかをまとめます。
まとめ
中古タイヤが向いているのはこんな人
- タイヤの知識がある人(状態の良し悪し、が分かる人)
- こだわりはないが、有名メーカーのタイヤを少しでも安く欲しい人
- 在庫がなくても気長に待てる人
- ネット通販の場合、取付店を自分で探せる人
格安タイヤが向いているのはこんな人
- メーカーやブランドにこだわらず、安くて新品のタイヤが欲しい人
- タイヤの状態を気にかけられる人(詳しくなくても、時期が来たら変える人)
- 運転にある程度自信がある、もしくは車の性能をキチンと把握している人
- 新車と同じような燃費・静粛性・乗り心地を求めない人(下がってもいい人)
このような感じになります。
個人的には、車に詳しくない方は、純正タイヤと同等品を選ぶことが一番だと思いますが、昨今の値上げでそうも言ってられませんもんね…うちも家計は火の車ですし。(車ネタだけに)
少しでも、誰かのタイヤ選びの参考になればと思います。
また機会があれば、大手のタイヤメーカーについてや、車にあったタイヤの選び方なども書いていきたいと思います。
ではまた!
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